
SG17JとSG21Jの違い
2006年3月に発売されたヤマハ マグザム(型式 BA-SG17J)と、2007年9月にマイナーチェンジされたヤマハ マグザム(型式 JBK-SG21J)の違いについてご存知でしょうか?
ヤマハ マグザムは、クオリティ感あるオール塗装ボディを採用しています。
マイナーチェンジにより、変速特性が見直され、市街地走行でのパワーフィーリングが向上し、同時に平成18年の排出ガス規制にも対応しています。
性能低下を招かず、むしろトルクが0.1kgf・mアップしています。
また、型式の違いだけでなく、乾燥重量や車両重量、国交省届出の燃料消費率も変更されており、燃費性能も向上しています。
さらに、インナー塗装も施されています。このように、マイナーチェンジにより、ヤマハ マグザムはより高性能で洗練されたスクーターとして進化を遂げました。
マグザム SG17J エラーコード 12
『正常な信号がクランクシャフトポジションセンサーから届きません』
推定される故障原因は『ワイヤーハーネス断線又はショート』『クランクシャフトポジションセンサー不良』『ピックアップローター不良』『ECU不良』『センサー取付不良』
正常な信号がクランクシャフトポジションセンサーから届きません。
対応としていくつかの箇所をみていきましょう。
チェック項目
・バッテリー電圧はVでしょうか?
・スターターリレーに適切な電圧がきていますか?
・スターターモーターは正常に可動していますか?
・スターターモーター内のブラシも問題ありませんか?
・スターターモーターは問題がなく→正常なクランキングをしますか?
・スターターリレーに問題はありませんか?ヒューズ状況も確認
スカイウェイブ250S(CJ44A)エラーコード、C58ははどういうことなのでしょう
対応策
①バッテリー電圧やスターターリレーへの適切な電圧供給ができていない場合は、バッテリーに問題がある可能性があります。
充分な充電電圧が得られない場合は、バッテリーを取り替えることをお勧めします。
(バッテリーを取り換える際には、バッテリーを固定するホルダーを外し、端子がショートしないようにマイナス端子から外してください。新しいバッテリーを設置する際には、逆にプラス側から接続してください。)
参考までに、マグザムの充電電圧は5000rpmで14Vです。
取り付けたばかりの新しいバッテリーの後は、バッテリー電圧を確認することが非常に重要です。
マグザムSG17Jの場合、バッテリーの電圧が12.4V以上であれば問題ありません。
エンジンを起動した際の充電電圧が14Vを上回っている場合、バッテリーの充電が十分であると確認できます。
バッテリーを外すとき、初期化のために電源を3秒ごとに3回以上ONとOFFする必要があります。この手順をしっかり実行してください。
バッテリーに異常がないときは
バッテリーに問題はなく、セルのカチカチ音が全く聞こません。
このような状況で、クランキングが全くない場合はセルモーターを確認してみましょう。
セルモータのブラシ摩耗や故障の疑いがあります。
スロットルボディーの下部にスターターモーターがあります。
画像は、スターターモーターの設置場所です。
ちょうどメットインを取り外し、スロットルボディーの下部に組付けられています。
初めての交換作業時は、ここまでのカウルやスロットルボディーまで時間がかかるかもしれません。
ここまできたら、あともう少しです。
スターターモーター内部パーツ品番
品番 1B7-81890-00モ-タアセンブリ1
1 1B7-81890-00モ-タアセンブリ1
2 3KS-81840-00. ブラシホルダアセンブリ1
3 3WP-81826-00. ボルト2
4 35C-81844-00. ガスケツト2
5 1FK-81847-00. O-リング1
6 4XV-8182A-00. ナツト1
7 1B7-81815-10コ-ド,スタ-タモ-タ1
8 4XV-8182A-00ナツト1
9 95812-06025ボルト,フランジ
ヤマハ マグザム SG17J エラーコード 12とはどんな症状でしょうか?
前述でも問題がないときは
前述のバッテリーとスターターモーターの両方に問題はありません。
このような場合には、スターターリレーをご確認ください。
スタータースイッチを押して、スターターモーターからのカチカチ音が聞こえますか?バッテリーの充電状態が適正で、スターターモーターが正常である場合。
エンジン始動ができずに、カチカチ音が聞こえる場合は、スターターリレーを疑ってみてください。
品番 1B7-81940-00スターターリレーアセンブリ (2768102-A)
黒い配線カプラをまず外しましょう。次にスターターリレーに接続している赤の2本線を外します。こうしてステーから、スターターリレーが取り外せます。
図解スターターリレーと取付場所
スターターリレーの取付場所
スターターリレーは、比較的大きな電流が流れます。
故障した場合、内部の接点が不良になり、電気が送られななくなります。
初期の症状では、何度か操作を繰り返すと元通りになることもありますが、症状が進行するとセルモーターが全く動かなくなることがあります。
この問題に対する一時的な対処法として、スターターリレーに物理的な衝撃を与えることで内部接点が復活し、再びセルモーターを作動させることができることもあります。
しかし、この方法は一時的なものであり、新品に交換することをお勧めします。
ヤマハ マグザム SG17J Vベルト交換警告灯の消去方法は?
エラーコード12について
ヤマハの整備手帳に掲載されている『クランクシャフトポジションセンサーから正常な信号が届かない』際の補足をします。
この問題を検知する過程では、バッテリーの充電電圧が低下したり、セルモータに異常が生じたり、またはスターターリレーが故障した結果、正常なエンジンクランキングが行われず、それによりクランクシャフトポジションセンサーが反応する仕組みのようです。
このような例もあります。
スターターモーターの故障(負荷)からエンジン始動を試みて、セルスイッチを何回か押し続けることにより、正常なバッテリー電圧が低下。
バッテリーの異常なのか、スターターモーターの故障なのか切り分けができないこともあるかもしれません。
このようなメンテナンスにおける悪循環をさけるために、できれば効率的な手順を追ってもらえればと思います。