キャブレターからフューエルインジェクションへ
ビッグスクーターが全盛期だった頃、ホンダ フォルツァMF08とスズキ スカイウェイブ250 CJ44Aの2台を所有していました。
どちらもキャブレターからフューエルインジェクションへ移行し、電子制御による燃料噴射の調整により日々の走行燃費が良くなりました。
またメンテナンスのやり方も大きく変わり、今となってはアナログキャブのセッティングやジェットの洗浄、冬場のエンジン始動性の悪さなどがとても懐かく思います。
でもそれぞれの前期モデル、フォルツァMF06やスカイウェイブCJ43Aから乗り換えたせいか、エラー内容や対処方法も共通点があるように思います。特に制御系のモーターを活用した変速機のトラブルしかり。
今回はホンダ フォルツァMF08のSマチックのトラブルと同じように、スピードが上がらず、ローギヤ固定状態のスカイウェイブ250S(CJ44A)の自己診断機能とは?について調べてみようと思います。
ローギヤで速度が出ない!
通勤時に活用していたスカイウェイブCJ44A。
ある週明けの月曜日、会社に向かう途中にFIランプが急遽点灯します。あれっ⁈
不意を付かれたように、唖然としたのを覚えています。
もしかしたらこのままアクセルを回し続けても、回転数だけが上がりスピードは出ないかも知れない…。
しかし案の定、スピードは上がらずローギヤ固定に。
(まだ出勤途中だし、イグニッションキーのON、OFFでFIランプは消える可能性やごまかしができるかも?)
(いや、納得の出来る確実なメンテナンスを行おう…)
頭の中で良き天使と悪しき天使が会話を続けます。
結局、冷静になってもう1台のフォルツァ MF08で出勤しました。
エラーコードをスピードメーター内に表示させる為に
まずは、スカイウェイブCJ44Aの現在の状況を確認してみます。
スカイウェイブCJ44Aには、F1警告灯が点灯した場合の自己診断機能がついています。
これはご自身で修理を行う場合に、メーター内に表示されたエラーコードを読み取ることで修理箇所の判断を行えるというものです。
ではその自己診断機能を行う為の手順を追ってみましょう。
①メンテナンスリッドはこれです
作業手順として、スピードメーターのメンテナンスリッドをゆっくりと浮かすように外します。内張りを外せる薄いヘラのようなツールがあれば便利です。
②メンテナンスリッドを外します
このような感じで外します。フックは、4か所あります。
メンテナンスリッドを外したら
①ゴムキャップ付きのカプラを見つけます。
メンテナンスリッドを外し右側の開口部内のゴムキャップ付きのカプラを見つけましょう。
②黒いゴムキャップを外します。
2つ同じような物がありますが、対象となるのは白いカプラです。ゴムキャップを外します。
③短絡(ショート)させます。)
ゴムキャップを外し、カプラの形状を確認します。
白い6Pカプラー内の黒/白と白/赤の配線を見つけ、短絡(ショート)させます。ここまでできたでしょうか。
短絡させるのは
自己診断機能の為に短絡させるのは、白い6Pカプラー内の黒/白と白/赤の配線です。
エラーコードは?
①短絡(ショート)させたまま、イグニッションをONに
カプラを短絡させたまま、イグニッションをONにします。
この時エンジンを始動、または停止したままのどちらでも自己診断がスタートします。
②エラーコードが表示されます。
今回のトラブルは、C58のようです。
エラーコード
このカプラーを短絡(ショート)させた自己診断機能は、スズキ スカイウェイブ250 CJ44A、CJ45A/CJ46Aでも同じように活用できます。
エラーコードが複数ある場合には、番号の小さいほうから順番に表示されます。
逆に車両にトラブルや問題がないときは、C00が表示されます。
エラーコードの履歴がECUに記録として残らない
今回は、スカイウェイブ250S(CJ44A)の自己診断機能について調べてみました。
結果としてメーターにはC58が表示されましたが、このCJ44Aには過去のエラーコードの履歴がECUに記録として残らないようです。
リアルタイムで故障に関係する症状が出ていない時は、チェックランプも点灯せず、この自己診断機能も活用ができません。
しかし、自己診断機能で判断されたエラーコードは故障の箇所を判断する材料の1つであり、関連するパーツを確認・検証することで対象範囲を狭めていくことが可能になります。
またバイク屋さんへの修理依頼時にはこのコードを伝えることで、SDS-Ⅱの故障診断や故障コード点検で一致するかなど、再確認することができます。
エラーコード C58の疑うべきポイントはいくつかあり、別ページにてわかりやすく記載しようと思います。
エラーコード C58
CVTの変速比が不一致ということを指摘しています。
CVT(Continuously Variable Transmission)とは、オートマチックトランスミッション(AT)車とおなじように、トランスミッションの変速比を、無段階に変換できる変速機です。